歯医者さんの治療が怖いという方へ
「歯医者で治療を受けたいのに、どうしても怖いので歯医者に行けない」と悩んでいませんか?
歯医者さんに怖くて行くことができずに悩んでいる人にしてみれば、自分と同じような人が他にもいるとは思えないかもしれません。私の実感からすると、そのような人は増える傾向にあると思われます。
統計など何らかのデータがあるわけではないので確実なことはいえませんが、クリニックを訪れる「歯医者さんに怖いので行けない患者さん」は、年を追うごとに増え続けているのではないでしょうか。
「歯医者さんに怖くて行けない患者さん」が増えている理由とは?
では、「歯医者さんに怖いので行けない患者さん」が増えている理由とはなんでしょうか?歯医者さんに怖くて行けない患者さんが増えた理由には、以下の二つがあると私は考えます。
【理由1】歯医者さんであまりにも辛い経験をして、それが忘れられない人が増えている
【理由2】「心の病」を抱えている人が増加している
【理由1】歯医者さんであまりにも辛い経験をして、それが忘れられない人が増えている
もう一つには、幼い頃、歯医者さんであまりにも辛い経験をして、それが忘れられない人が増えているというケースです。
もともと、歯科というのはあらゆる病院の中でも悪いイメージがあります。「痛い、怖い、つらい、苦しい」という固定概念を持っている人は、9割以上といってもいいのではないでしょうか。
そこにきて、しぶしぶ行ってみたら、やっぱり嫌な思いをした。注射をして、歯を抜いて、「キーン」という耳障りな音を聞きながら、痛むムシ歯の治療を必死でがまんした。そんな経験が一種のトラウマとなり、歯医者さんに行こうと思っただけで、痛みや怖さがフィードバックしてしまうのです。
【理由2】「心の病」を抱えている人が増加している
二つ目の理由として、「心の病」を抱えている人が増加していることです。ストレス社会といわれる現在では、本人がまったく気づかないうちに、心を病んでしまうことが少なくありません。
心が健康な状態ならともかく、心の病を抱えていると、実際以上に不安や恐怖を感じることが少なくありません。それも、本人にしてみれば、とても耐えられないレベルの強烈な恐怖です。
その不安や恐怖の対象が、歯医者さんに向けられている。あるいは、何にせよ未知のものに対する不安が先立って、「何をされるのか分からない歯の治療などできない」ということになってしまうのです。
これら二つが歯医者さんに行けない理由
これら二つが、歯医者さんに行けずに悩む人が増えている理由だと考えられます。私のクリニックを訪れる患者さんを見るかぎり、特に「トラウマになっている人」が圧倒的に多く、その次が「心の病」だと思われます。
あなたは本当に「ただの怖がり」なのでしょうか?
「いい大人が、怖くて歯医者に行けないなんてありえないよ」
歯医者さんに行くことができずに悩んでいる人の、ほぼ100パーセントが、周囲の人からこのようにいわれています。
それも、家族や親しい友人など、本人が信頼を寄せている人からいわれてしまうことが多いのです。それだけに、傷つき方も深くなってしまいます。家族や友人にしてみれば、誰でもいうような何気ないことを、ごく軽い気持ちでいっただけなのでしょう。しかし、心の中で真剣に悩んでいる人にしてみれば、まさに突き刺さるような言葉なのです。
やっかいなのは、これが二次的な原因となってしまうことです
「自分はそんなに怖がりなんだろうか?確かに大人になって歯医者が怖いなんてどうかしている。がんばれば行けるはずだ、行ってみよう」
そう自分にいい聞かせ、意を決して歯医者さんに行こうとする。しかし、やはりどうしても行くことができない。
そうなると、「人一倍、怖がりなんだ」「自分は歯医者にも行けないダメなヤツなんだ」とまで思うようになり、ますます歯医者さんから遠ざかるようになってしまいます。ここまできてしまうと、やはり「単なる怖がり」と片付けることはできません。
「歯科治療恐怖症」になっている
近年、ストレスが原因で、うつ病などの心の病を抱える人が増加しています。
歯医者さんに怖いので行くことができない人も、やはり強いストレスなどが原因となり、「歯科治療恐怖症」になっているのだと考えられます。
ちなみに「歯科治療恐怖症」というのは正式な病名ではなく、私が便宜上使っている造語です。
歯医者さんに行けずに悩んでいる人は、行こうとするだけで、
- 激しい動機
- めまい
- 立ちくらみなど
が起きたり、歯科医院特有の音やにおいを感じただけで吐き気がするという場合もあります。
それほど深刻な状態でも、やはり周囲の人は「わがまま」「怖がり」「がまんができない人」と片付けてしまいます。問題は、家族や友人のみならず、歯科医師の中にもこのような受け止め方をする人が少なくないことなのです。
「歯科治療恐怖症」になっている方こそ、相談に来て欲しい
私たちは患者さんの治療に対する不安を軽減し、患者さんが納得される治療と患者さんの時間を大切にし、感動して笑顔でお帰りいただける歯科医療サービスを提供しています。
具体的には、
- ハイブリッド型鎮静法
- 静脈内鎮静法・麻酔法
- 全身麻酔法
を使った、麻酔治療で、多くの「歯科恐怖症」となった方々に、安心の優しい歯医者さんとしての治療を提供してきました。
「歯科治療が怖い!」という方、ぜひ当院までご相談ください。
優しい歯医者さんを目指して
当院は、痛みや苦痛に対する解放はもちろんですが、上述した通り、「心にも優しい歯医者さん」を目指しています。いかに体にとってほぼ痛みのない治療ができたとしても、心に寄り添う優しい治療ができなければ、患者さんが本当に安心して治療に専念することはできません。
優しいということは、歯医者さんでの治療を可能にするとても大切なファクター(要因)であると私たちは考えております。「優しい」という心の治療が、歯医者さんにとって、目には見えない大切な治療法なのだと考えております。
意外に多い嘔吐反射
口の中に何か入ってくるだけで「オエッ」となってしまう。このような症状を「嘔吐反射」、専門的には「異常絞扼反射」といいます。
嘔吐反射で歯医者に行けない人は多い
ただ、歯ブラシを入れると嘔吐反射が出てしまうという人はわりといます。
「嘔吐反射」という言葉がほとんど浸透していないせいか、一般的には「嘔吐反射が問題で歯医者さんに行けない人など、さほど多くはないだろう」と受け止められがちです。しかし、実はかなりの数の患者さんがいるのです。
軽度の嘔吐反射の人では、歯型を採る際の型材を口の中に入れることができなかったり、奥歯のレントゲンを撮影するのを苦痛に感じたりします。
しかし症状のひどい人になると、「前歯を触ることもできない」「歯科用の鏡を口の中に入れることもできない」ということになります。歯科用の鏡が口の中のどこにも触れてはいないのに、入ってくるだけで嘔吐反射が起きてしまったりするのです。
【嘔吐反射】さらに重症になると、歯科治療を想像しただけで吐き気が起きたりします
この嘔吐反射も、もともと体を守るために備えられている防御反応です。本来なら、体に不都合なものが入ってきそうになった時だけに反射的に嘔吐しようとします。歯を治療するということは、体にとって悪いことではなくむしろ良いことです。それなのに嘔吐反射が起こってしまうのです。
こうした嘔吐反射の患者さんに対して歯科治療をする場合、一般的には次のような方法が取り入れられています。
- 治療は寝た状態ではなく、座った状態で受ける。
- 横になる場合は足を上げた状態で治療を行う。
- 治療中は他のことを考える。
- 型どりやレントゲン撮影は、顎をひいてできるだけゆっくり鼻で呼吸する。
- 嘔吐反射が出そうになったら腹筋に力を入れたり、みぞおちを強く押す。
これらの対応は、軽度な人ならともかく、重症の嘔吐反射の患者さんなら、まったく通用しないことでしょう。歯科治療における嘔吐反射の場合は、やはり治療に対する不安や恐怖心など心理的な要因が引き金になっています。これもやはり過去のイヤな経験、つらい記憶が根底にあるのです。
不安や恐怖といった心理的な要因によって嘔吐反射が引き起こされるなら、患者さんの不安を取り除き、気持ちを落ち着かせてあげることによって症状を抑えることが可能です。
具体的には、ていねいなカウンセリングと麻酔による鎮静法などの対応が必要です。
麻酔を生かした「心の痛みも治せる治療」で
あなたの悩み・不安を解消いたします。
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